ダニ類

1.生態と被害

 ハダニ類は種によって生活史や越冬形態に多少の差はあるが、いずれも年間10数世代を繰り返し、繁殖は旺盛で特に温室内で著しい。一般に高温乾燥時に繁殖は旺盛になり、卵から成虫になるまでの期問は短い場合は6〜10日くらいで、メス1頭あたりの産卵数も平均100卵に及ぶものがあり、短期問のうちに著しい被害を与えるようになる。
 八ダニ類は汁液を吸収し、葉緑素を破壊するので、被害株は生育が衰える一方、葉や花にカスリ状の小斑点を生じたり、変色したりするので観賞価値を著しく損なう。ホコリダニ類として被害が大きいのはシクラメンホコリダニとチャノホコリダニで、いずれも極めて微少なダニ類である。繁殖はハダニ以上に旺盛で、条件さえ揃うと短期間のうちに激発し、巻葉したり、奇形を呈し、株の生長は阻害される。また、蕾は生長しても変形して開花しないか、開花しても花弁がよじれたり変色し、商晶価値がなくなる。シクラメンなどでは一年中生息が認められ、花弁にしみ状の斑点があらわれ、奇形となる。
 チャノホコリダニの寄主範囲はきわめて広く、国内では露地や施設栽培の野菜、花き、樹木にしばしば発生する。発育に要する日数は20℃で13〜17日、好適発育温度は15〜20℃とされる。
 シクラメンホコリダニの発育期間は卵から成虫まで27℃で約7日と短く、シクラメン、セントポーリア、オルヒュームなどの花き類やイチゴ、ピーマンなどの施設野菜で発生する。また、野外でもカラムシ、センブリ等に寄生する。シクラメンの被害程度はチャノホコリダニによる寄生に比べて大きく、蕾あたり200〜300頭に達することもある。セントポーリアでは若い葉に被害が顕著で、被害葉は毛羽立ちして発育が停止し、芽が枯れる。(以上、日本原色植物ダニ図鑑、全国農村教育協会より)。

2.防除のねらい

 (1)防除のコツは早期発見、早期防除である。ハダニは下葉の葉裏にいることが多く、発見が遅れるため、多発してから防除することが多い。多発時は薬剤の効果が上がりにくい。したがって、常に下葉や目につきにくい部分での発見に努め、早めに十分薬剤かかかるように防除する。
 (2)発生の好条件は高温乾燥であるので、露地栽培での被害は4〜5月に現われはじめ、梅雨中は一旦減少するが、梅雨明け以降多くなる。したがって、防除は4〜5月と梅雨明けを一つの目安とし実施する。
 (3)施設栽培では、高温のため周年多発生するので、冬季も防除を行う。また、施設栽培では資材や野外の雑草などにも発生しているので、同時に防除することが必要である。
 (4)花に寄生した場合、著しく観賞価値をおとすので、開花前の防除が必要である。
 (5)特に、ハダニ類は年間の発生回数が多く、防除回数が多くなるため、薬剤抵抗性がつきやすい。したがって防除にあたっては、抵抗性の程度を熟知するとともに薬剤は同一系統のものを連続使用しないよう、ローテーションを守ることが必要である。