アザミウマ目
昆虫のなかま。
微小な昆虫で、体長は成虫でも1mm−10mm位で、1−2mm位の種類がもっとも多い。形は細長く、 細い翅には長い総毛(縁毛)を多数備える。脚の先端は袋状になっており、それを出し入れして吸盤 のように利用しているため、表面が滑らかな所でも自由に歩ける。
世界で5,000種あまりが知られており、日本では、500種ほどが産するのではないかと 推測している。食性は広く食植性、食菌性、肉食性のものが知られる。

食植性の種類

主に植物の葉や花に生息し、まれにユリの鱗茎など地下部に生息する種もある。害虫として知られる種も多 い。日本では特に大きな問題を引き起こしている害虫としてミナミキイロアザミウマが知られる。この種は東南 アジア原産で、1970年代に我が国に進入し、ナス・キュウリ・メロン・大豆など多くの果菜類に大きな被害を 与える一方、植物のウイルス病の原因となるトマト黄化えそウイルス(TSWV)の媒介者でもある。また、 最近では北米原産のミカンキイロアザミウマが進入し、やはり多くの農作物に被害を与えている。
このように、特に外国から進入した種類による被害が目立つため、これらの種の原産地での天敵の探索や、 新たな種の進入の阻止が大きな課題となっている。
植物上に虫えい(虫こぶ)を作り、その中に生息する種もある。特にオーストラリアのアカシアに虫えいを作る 種の中に、アリやハチにみられるような真社会性の種が存在する事が近年発見され、注目を浴びている。

食菌性の種類

種類としては最も多いと思われる。主に枯れた植物に発生する菌類の胞子や菌糸を食べるため、各種植物の 枯れた部分や森林の堆葉層に生息する。キノコ類に集まる種も知られる。生物学的にはもっとも多様化の進ん だ興味深いグループである。

食肉性の種類

種類はそれほど多くないが、小型の節足動物を捕食するアザミウマが知られており、中には害虫の天敵となって いるものもある。ハダニアザミウマは植物の害虫であるカンザワハダニを捕食するし、Karnyothrips flavipes は果樹の害虫ルビーロウムシを捕食する事が知られる。 また、最近沖縄から発見されたアリガタシマアザミウマは、各種の植物上で
すばやく走り回り、小型の節足動 物を捕食する。特に害虫ミナミキイロアザミウマを好んで捕食し、生物農薬として利用できないかと期待され ている。